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ご挨拶
司さまを激愛する蘭丸の遊び場へようこそ!!原作コミックス&アニメ「花より男子」の二次小説ですつくし以上に司を愛するぞぉーと!始めた、妄想てんこ盛りな?ブログです妄想なのか?思い込みなのか?はたまた、お馬鹿なのか?思い込みのみで「つかつくはじめました!」お付き合い頂けたら幸です知識も、文章力も、全くありません!(キリッ)←自信満々で宣言します!暇つぶしに、一緒に遊んでやって下さいませm(_ _)m登場人物の設...

鍾愛 148
「待ってくれ。怪しいもんじゃない.....話を訊いてくれ」手向かいするつもりはないと男は両手を高くあげていたその手を革ジャンの胸の辺りまで持ってゆくと銃は持ってないと言いたげに広げ見せ脱ぎ捨てた「ほら、大丈夫だろ?安心して」また両手を高く上げ、ゆっくりとその場で躰を回転させてから近づこうとしてきた「待て、ズボンの裾をあげろ」間島が低い声で言った男は、顔をしかめて肩をすくめるとズボンの裾をあげた「ナイフ...

鍾愛 147
司は、先ほどまで、椿の夫である義兄とネットを介してミーティングをしていた義兄は、自社株50%を持つ大株主でもあるホテル王として名を馳せ、辣腕を振るう経営者の目から見れば今のメープルは死に体同然で、経営を立て直すにはやはり、楓の退任が望ましいと助言されたできる限りの支援はするが身内であってもビジネスだきちんと線引きはすると言い放たれた当たり前のことで司に異論はなかったそれより、当面、乗りきれる道筋がた...

鍾愛 146
間島は、唇のはしにタバコをくわえコントラトゥールの前にいた人気のフレンチレストランとは訊いてはいたがその盛況ぶりに驚いていた訪れる客は、外車か高級国産車この日の為に着飾った、ご婦人達ではなくさまになっている上流階級の住人は、上品な立ち振る舞いともれ聴こえる会話は、富裕層ならではの内容だった間島の興味の対象は、夫人達ではないこのご時世で当たり前のように贅沢の限りを尽くせる彼女たちの配偶者の職業だった...

鍾愛 145
投げ込まれた石を柴崎が拾い上げてティッシュに包む庭を散策する客もいるので、手入れは庭師に任せていた当然、大きな石など落ちてはいない指紋を残すなどヘマはしないだろうが警察に届けるかと司に訊けばそれはしなくていいと言う警察が介入すれば、調書やらなんやらで時間も拘束される間島に圧力をかけてきたくらいなのだから相手は、それなりに力も影響力もある人物だと察しがついた「片付けは、明日すればいい。寝ようぜ」「で...

ご挨拶

司さまを激愛する
蘭丸の遊び場へようこそ!!


原作コミックス&アニメ「花より男子」の二次小説です


つくし以上に司を愛するぞぉーと!
始めた、妄想てんこ盛りな?ブログです
妄想なのか?思い込みなのか?はたまた、お馬鹿なのか?
思い込みのみで「つかつくはじめました!」
お付き合い頂けたら幸です

知識も、文章力も、全くありません!(キリッ)←自信満々で宣言します!
暇つぶしに、一緒に遊んでやって下さいませm(_ _)m

登場人物の設定、描写、言葉使いに関してのご意見は
ありがたく受け止めさせて頂きますが
当方から個別のお返事は致しかねます
あらかじめ、ご了承、ご理解頂けますよう
お願い申し上げます

なお、原作者さま、出版社さまと一切関係ございません

誹謗中傷、文章の他所への転記等は、かたくお断りしております

「俺様が大活躍するってよ!」←大活躍するかは不明ですが……

「あんた、すでにいろんなとこて゜活躍してるじゃん」

つくしより、司さまを愛する自信だけは
おおありです!(笑

               by 蘭丸

お付き合いの程、宜しくお願い致します

               
@Ranmaru
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鍾愛 148

「待ってくれ。怪しいもんじゃない.....話を訊いてくれ」

手向かいするつもりはないと男は両手を高くあげていた
その手を革ジャンの胸の辺りまで持ってゆくと
銃は持ってないと言いたげに広げ見せ脱ぎ捨てた

「ほら、大丈夫だろ?安心して」

また両手を高く上げ、ゆっくりとその場で躰を回転させてから
近づこうとしてきた

「待て、ズボンの裾をあげろ」

間島が低い声で言った
男は、顔をしかめて肩をすくめるとズボンの裾をあげた

「ナイフなんて持ってないって。これで信じてくれた?
 俺は、トム。ガイドをしてるんだ
 もしよかったらだけど、君たちを案内させてもらえないか?」

男は、首付近の0mmに刈り上げたフェードカットと
スパイラルヘアで、耳にはピアスをしていた
シャツの上からでもわかる均整のとれた筋肉質な躰
黒い肌に、大きな瞳。真っ白な歯が印象的だ

「どうして俺たちに近付いてきた」

司が片眉をあげて訊いてきた

「どうして日本語が喋れるのかってのも訊きたいんじゃないの?
 横須賀の米軍基地に5年ほどいたのと日本人の彼女のお陰で
 こうなったのさ。まっ、その彼女には、フラれちまったけどね
 こっちに舞い戻ってきても、なかなか職にありつけない
 景気が悪いのは日本と同じさ
 今は、ガイドとして生計をたててる
 と、言っても営業活動しないと仕事が
 舞い込んで来るわけでも無い
 それで、あんた達に声をかけたんだ」

「じゃ、こうしよう。ガイド料は
 君たちが帰る日に貰うってのはどう?
 それまでに俺をじっくり品定めしてくれよ」

司と間島は、信じていいものかと顔を見合わせて
どうする?信じるか?と合図らしき視線を送る
不思議なもので、互いに言いたいことが伝わっている
トムがみれば、危うい関係に映るかも知れないくらい
見つめあっていた

「わかったよ。頼む」

「ワァァァーオ!商談成立だな!
 改めて、トムだヨロシク」

「ツカサだ」「ライだ」

三人は、握手を交わした
間島の名前は、頼介(らいすけ)だが読める人が少ない
言いにくいだろうとライと名乗った

「で、どこか行きたいとこある?」

トムが訊いてきた

「人を捜してる」

「観光じゃなくて、人捜し?」

「ああ、そうだ。こいつ見たことあるか?」

ジャケットのポケットから山崎の写真を取り出した
一枚は、いつもの山崎
もう一枚は、本来は、こうであろうと思われる写真を
フォトショップで加工したものだ

「二人?」

トムは、ちらりと視線を移して訊いてきた

「いいや、同一人物だ。右手に持ってる方が
 本当の姿だ」

「こっちは日本人で、こっちは違うように見えるけど
 変装してるってこと?名前は?」

トムが眉間に皺をよせ、マジマジと見比べていた

「ヤマサキリョウガだ。ブロンクスの出身だと言ってた」

「俺もここに住んで10年ちょっとになるけどみたことない
 それより、少し歩かないか?」

トムは、流暢な日本語を話、日本古来の独特の言い回しも
理解できているようだった
トムの案内で、146ストリートに移動した
すぐ傍にヤンキーススタジアム、飲食店、ブティックなどで
賑わっていた
3人は、小腹が空いたとカフェでひと休みすることにした
オープンカフェに坐り、ハンバーガーとコーヒーを
オーダーした
あそこ見てトムが高層ビルを指さした

「プロジェクトとと言って
 低所得者が多く住んでる。俺も、あそこの住人だ
 ここに住んでる多くは、アフリカ系かヒスパニア系なんだ」

「昔は、もっと荒れてたから近づくなと親に言われてたよ」

「ツカサは、N.Yに住んでたの?」

「ああ、ガキの頃にな」

「治安は、ずいぶん良くなったけど
 夕方には、街は様変わりする。クスリの売買が
 当たり前のように行われるからね
 買うお金がないと奪うだけ。昨日も、15の子供が撃たれたんだ」

間島は、ギョッとした顔をした
司は、気に止める様子もなくトムと話している

「で、滞在期間は」

「二日だ」

「二日?二日で捜すのか?oh my God!」

トムが天を仰いだ

「何でもいい。どんな小さな情報でもいいんだ」

「わかったよ。やるだけやってみる
 ガイドの仕事じゃないけどね」

「useful information」

と、司が言った

「Leave it up to me」

と、トムが返した
もう少し歩くかとトムが訊いてきたが
答えはNOだった
時差ぼけもあり、司も間島も疲れている
カフェでお茶を飲んだあと
トムがホテルまで送ってゆくと言ってくれた
別れ際、司がトムの胸元のポケットに紙幣を突っ込んだ

「今夜の酒代だ」

トムは、thank youではなく、ありがとうと礼を伝えた
笑うと唇から覗く真っ白な歯のお陰か印象を和らげていた

「また明日、迎えに来るよ」

連絡先を交換して、トムは帰って行った

==========

今日は、仕事がお休み
もう一回、更新出来ればと思っておます
(出来ないかもだけど)

鍾愛 147


司は、先ほどまで、椿の夫である義兄と
ネットを介してミーティングをしていた
義兄は、自社株50%を持つ大株主でもある
ホテル王として名を馳せ、辣腕を振るう経営者の目から見れば
今のメープルは死に体同然で、経営を立て直すにはやはり、
楓の退任が望ましいと助言された
できる限りの支援はするが身内であってもビジネスだ
きちんと線引きはすると言い放たれた
当たり前のことで司に異論はなかった
それより、当面、乗りきれる道筋がたった事にホッとしていた

くるりとデスクチェアーを反転させ
背もたれに躰を預けるようにして窓の外を見た
秋空に浮かんでいた鱗雲は消え
いつの間にか辺りの高層ビルが真っ黒になって
ビルの谷間をオレンジ色に染めていた
司は、心を無くしたように、ぼんやりと沈む夕陽を眺めていた
デスクの携帯が突然鳴った。表示された名前を確認すると
躰を起こして電話を取った

「お疲れさまです」

「お疲れさん」

相手は、間島だった

「少しいいですか」

「ああ、大丈夫だ」

「柴崎から訊いたよ。わざわざすまなかった」
 
間島が、コントラトゥールに様子を
見に行ってくれたことに礼を伝えた

「いえ、仕事が休みだったもんで........
 あの倉庫の持ち主は、ご存知ですか?」

「詳しくは知らねぇよ。一度、あそこを買い 
 取ろうと思って調べてみたら
 土地と上物の持ち主が別でよ
 交渉するも、足元見てきやがって諦めた」

「どうして買い取ろうと思われたんですか」

「見りゃわかんだろ?景観が損なわれるだろ
 お化け屋敷みたいじゃねぇか
 それに、建物がかなり老朽化してる
 解体するにも数千万かかるからな採算とれねぇだろ」
 
「なるほど。私も、あの建物の3階まで行ってみました
 道明寺さんのプライベートが筒抜け状態です」
 
「だろうな。誰かが住んでる訳でもねぇし
 対策を取るほどでもないと思ってた」

「あんな事がありましたし、
 しばらくは今の仮住まいに
 いらっしゃる方がいいかも知れません」

「だな....あんた、休みつったな」

「長いこと休暇も取ってなかったんで
 いいきっかけになりました」

「来週とは言わず、すぐ行くか、N.Y?」

「私はかまいませんが、牧野さんは?」

「あいつなら、柴崎と如月がついてる
 それに、一見、頼りなさそうで頼りになる
 ババァの天敵も隣に住んでっから」

「ハァハァハァ。お母様の天敵ですか」

「ならよ、明後日発とうぜぇ
 詳しいことは、明日、また連絡入れる」

「わかりました。宜しくお願いします」

========
柴崎と如月、それに類に、つくしを託して
司は、間島と共にN.Yへ飛び立った
10時20分羽田発N.Y便は翌朝の9時過ぎにJFK空港に到着した
宿泊先はマンハッタンのホテル
お馴染みのイエローキャブは使わず
Uberを利用した
Uberは、スマホを使ってタクシーを
チャーターできるサービスだ
一般的なタクシーの配車に加え、
一般人が自分の空き時間と自家用車を使って
他人を運ぶ仕組みを構築している
司と間島は、チャーターしていた車に乗り込んだ
運転手は、本職のタクシードライバーだった
行き先のホテルを告げ出発した
司は右側の席から外を眺め
間島は、左側から外を見ていた
街の道路のあちこちから突きでた煙突が
白い蒸気をあげている
マンハッタンの地下に網の目のようにめぐっている
スチームパイプからもれ出ている蒸気は、
N.Yの冬の風物詩ともいえる光景だった
間島は、年甲斐もなく興奮気味で
司と言えば、久しぶりに訪れたこの街に
さほど思い入れはなく
刺激的なテンションもなく黙ったままだった

空港からホテルまで2k程の距離にある
渋滞に巻き込まれることなくホテルに到着した
運転手に料金とチップを渡し車を降りた
フロントでチェックインを済ませると
エレベーターに乗った
観光に来たわけではないので
スタンダードツインにした
むさ苦しい男二人で泊まるには充分な部屋だった
司は、ドアを開けるなり、スーツケースを放置して
ベッドにタイブした

「とにかく寝ようぜ」

酒の力をかりずに眠るのは
幾日ぶりだろうか
ジャケットを脱ぐ余力もないほど眠かった
瞼がひとりでにおちてきて
うつ伏せの状態のまま動かなくなった
すぅーすぅーと司の寝息がきこえてくる
間島は、ポケットから携帯を取り出してコールする

「どこいるんっすか?大変なんですよ」

「何があった?」

休暇とは言え気になり田中に連絡を入れたら
相変わらずだ
たいしたことでなくても大変なんですよが
田中の口癖になっている

「三島のオッサン(組長)がハジかれたんっすよ
 で、ね、工藤組の仕業だと、三島の若い衆が騒ぎだして
 カチこむ勢いなんっすよ」

「ほんとに工藤の連中なのか?」

三島組と工藤組は敵対関係にあるが
いざこざを起こすほどバカでもない
一時期は、一触即発と言う空気もあったが
次第に落ち着いていった
今更、どうして......間島は、思ったが口には出さなかった

「そこんとこは、まだわかりません」

「やっこさん、死んだのか」

「いえ、重傷ですが一命はとりとめました
 ICUに入ってます」

「ライフルマーク(線条痕)は」

「今、鑑識が調べてます
 だから休暇返上って事で.......」

「無理だな。今、俺は日本にいねぇんだよ
 おまえ、何年、刑事やってんだ?
 そろそろ中堅クラスだろうが。やることわかってんだろ
 なんかわかったら連絡しろ」

「えっ?ちょっと!間島さぁーーん」

気になったが間島は、一方的に電話を切った
ここに来た目的が最優先だったからだ
ベッドで司が
うぅぅぅっと唸るような声だして寝返りをうっていた

「はっ.......今、何時だ?」

司が目を覚ました

「あれから30分もたってませんよ」

「あんた、寝なくて大丈夫か?」

「ええ。アドレナリンがでまくってますから」

はーっと深い息を吐いて、司は上半身を起こした
間島は、無言でミネラルウォーターを差し出した

「なんか食べるか?」

「いえ、今のところは」

「なら、街に出るか?時間が勿体ねぇからよ」

「そうですね」

司は、間島から受け取ったミネラルウォーターを
ごくごくと一気飲みした

=========

ふたりは、チャーターした車に乗り込み
サウスブロンクスへ向かった
サウスブロンクスは、ブロンクス区南西部に位置する
都心の荒廃を連想させるような響きがあるため
最近では、ダウンタウンブロンクス、ソーブローという
呼び名が使われつつあった

80年代のブロンクスは、今よりスリリングな街で
まるで爆撃をうけたような焼け野原と
瓦礫の山が延々と続いていた
今では、開発も進み、大型ショッピングモールも建設され
1区先にはヤンキーススタジアムもある
比較的治安がいいといわれてるエリアで、ふたりはおりた
185センチある司と間島は、日本では目立つ存在に入るが
ここでは、長身といわれる程ではなかったが
東洋人にしては背の高い男が連れだって歩いていれば
それなりに目立つのか、ちらちらと視線を感じた
そんな街の様子を探るように歩いていた
ブロンクスと言えば
壁一面に描かれたグラフティが有名だ
ヴィヴィットな作品からハイクオリティな作品まであって
足を止めて見入っていた

何か変だ。このエリアに入って違和感を感じていたのは
司も間島も同じだった

「つけられてますね」

「だな」

気のせいかと思っていたが
一定の距離を保ちながら誰かが後ろをついてくる
気配を感じていた
司と間島は、ピタリと足を止めた

「あんた、100Mなん秒で走れる」

「最近、腹も出てきましたから.........
 でも、頭の中では、ボルトくらいの弾丸ダッシュです」

間島の言葉に、ふっと司が笑った
そして、合図を送るように間島に視線を流した
ヤバいかも知れない
逃げるに越したことはない。一気にダッシュするつもりで
勢いよくかけだそうとした瞬間

「待ってくれ。怪しいもんじゃない。話を訊いてくれ」
 
英語ではない。ハッキリとした日本語が
背中越しに聞こえてきた
ふたりは顔を見合わせて同時に首を巡らせた
2M近くあるのではないかと思わせる
ガタイのいい男が立っていた

鍾愛 146

間島は、唇のはしにタバコをくわえ
コントラトゥールの前にいた
人気のフレンチレストランとは訊いてはいたが
その盛況ぶりに驚いていた
訪れる客は、外車か高級国産車
この日の為に着飾った、ご婦人達ではなくさまになっている
上流階級の住人は、上品な立ち振る舞いと
もれ聴こえる会話は、富裕層ならではの内容だった
間島の興味の対象は、夫人達ではない
このご時世で当たり前のように贅沢の限りを尽くせる
彼女たちの配偶者の職業だった
やさぐれた中年男が一人で来る店ではないことだけはわかった

柴崎から連絡を受けたとき、庭に車のタイヤ痕も
誰かが歩いた形跡もなかったと言っていた
間島は、庭に足を踏み入れず、手がかりがないか
店の周りを歩くことにした
住宅街ではないが、民家もある
ここまで徒歩で来たことは考えにくい
真夜中にタクシーを使えば印象に残り面バレする怖れがある
店舗の裏側に、司のプライベートログハウスが建っている
リビングは西を向いていた
その方向から先に視線をやると、今は使われていない
4階建ての古びた倉庫のような建物が目に入った

20181110151541122.jpg

間島は、歩いて様子を見に行くことにした
中に入れるのか?かなり老朽化している鉄筋コンクリート
出入り口に回った。ダイヤル式の南京錠が取り付けられている
U字のツルの部分を引っ張っても開かなかった
ツルを引っ張りながら、番号を順に合わせていき
緩みを感じることで番号を探していく

000にダイヤルを合わせ
ツルを引っ張りながら下一桁を1から順番に合わせていった
間違った番号の場合は固く動かない
番号があっているときは少し隙間ができ、緩む感覚がする
下一桁がわかったら、続いて十の位も同じように
引っ張りながら1から順番に合わせていった
021の番号で、南京錠が解除された
朱色の扉は、錆びついてなかなか開かなかった
長い間、開閉していないのが見てとれた
片足の靴裏をドアにあて、力いっぱい引っ張ったら
ギィィィィっと音を立てて隙間が出来た
腹に力を入れて、更に引っ張ってみると、どうにか開いた
中は、がらんとしていて、心霊スポットになりそうな
雰囲気と冷たい空気が頰をさした
階段を上がって行くと各階にベランダのようなスペースがある
トントンと踏みしめて、コンクリートが崩れ落ちないか
確かめてから外に出た
1階から2階は気になることはなかった
3階に上がった時、カンテラランプが吊り下げられていることに
気がついた
かなり古いものだ。元々その場所にあったのか
手に取って見てみたらあることに気がついた
明かりのもととなるマントルが新しい
カンテラランプは古いのにマントルが新しいのは不自然だった
間島は、そこから辺りを見渡した
司のログハウスが南西の方角に見える
距離にしたら15M以上あるかも知れない
この角度から石と発煙筒を投げ入れる事は可能だろう
ただし、かなりのコントロールテクニックが必要だ
リビングは、スモールランプがついていたと訊いていた
明かりがあると標準が合わせやすい
落ちていた石はひとつだけ
まぐれでリビングまでたどり着いたのか
相当、運がいい奴だと間島が鼻を鳴らした
間島は、カンテラランプをおろし、手に持って倉庫をでた

==========

「忘れ物はないですね」

柴崎が、つくしに確認した

「大丈夫です」

司が4日間だけと言っていた
着替えだけ持って出ればいい
後は、フラン達の荷物だ
フードボールとおもちゃ、ペット用の大型ベッドを
ワンボックスカーに積み込んだ
店の裏口から中に入り、支配人とシェフに
しばらく留守をしますが宜しくお願いしますと
声をかけてからつくしは、車に乗り込んだ
昼過ぎ、今からここを出ると司にメールを入れて
類のマンションへと出発した

============

「久しぶりだね............」

つくしの到着を待ちわびてたかのように
エントランスフロアまで迎えに来てくれていた
類の柔らかな微笑みは、やっぱり王子様だ
司とは違う、ふわりとした優しい雰囲気を
纏っているのが魅力の男だ

「4日って訊いてたけど、たいそうな荷物なんだね」

メルセデスの後ろに大きめのワンボックスカーが
停車しているのを見て類が言った

「ボディーガードが乗ってるから。訊いてない?」

「訊いてるよ」

何人引き連れて来たんだ。司らしいと笑っていた

「おいで!」

「ワァーオ!なに、このワンコ?」

人だと思っていた類は、精悍な犬達の登場に目を見張った

「ボディーガードだよ」

また、クスクスと類が笑う

「へーっ。良い感じ。面白そう」

「もしかして訊いてなかった?」

「ううん。訊いてたよ」

「ごめんね。しばらくご厄介になります」

「名前、なんて言うの」

類がフロアで胡坐をかいたら、犬達がわらわらと寄って
一匹ずつ頭を撫でてやる

「フラン、ドル、ポンド、ユーロっていうの」

「司は動物が苦手だったのに、また、どうして?」

「飼い主さんから預かってるの」

「そうなんだ。可愛いね」

「そうでしょ?司ってば、不細工だの、おっかねぇだの
 言ってるけどね。賢い子達だから迷惑かけないと思う」

「散歩行かせて」

「いいよ」

類がリードを持って、EVに乗り込んだ

==========

「勝手に入っちゃったけど、ハウスクリーニングしてあるから」

「ありがとう」

類は、フラン達の相手をして遊んでいる

「コーヒー淹れようか?」

「妊娠中は、カフェインダメなんだ」

「そうなんだ。おめでとう」

「えっ?」

「赤ちゃん。司が父親になるって想像つかないけど」

「あ・・・・ありがとう」

「あの喫茶店覚えてる?散歩したときに見つけた」

「うんうん。覚えてる。ママ元気?」

「俺、すっかり常連なんだ」

「へーっ」

「落ち着いたら行ってみようよ」

「そうだね」

たわいもない話を類は優しい眼差しで訊いていた

==========

「お疲れさまです。間島です」

「お疲れさん」

「今、いいですか?」

間島は、柴崎に電話をかけていた

「さっき、道明寺さんの店に行って来ました
 南西に古い倉庫があるのご存知ですか」

「ああ、そういやああったな」

「私の推測ですけど、発煙筒は、そこから投げ入れられた
 可能性があります」

「気がつかなかった。どうりで、足跡が無かったわけだ」

「まぁ、車はどこかに停めていたんでしょうが」

「なんだ、お前、仕事中にわざわざ行ってくれたのか?」

「いえ、やる気が失せてるもんですから
 ちょっと長い休暇を取りました」

「そうか.......悪かったなぁ
 あんまり気に病むなよ。俺たちは都内に移動した」

「例のマンションですか?」

「そうだ、やっぱり、副社長が狙われたのか」

「いや、牧野さんの可能性もありますし、
 私に対しての牽制かも知れません」
 
「・・・・・・」

「何かわかりましたら、連絡します」

「すまんな、頼む」

あれだけの繁盛店だ、妬みの線も捨てきれないと
間島は、思っていた

鍾愛 145


投げ込まれた石を柴崎が拾い上げてティッシュに包む
庭を散策する客もいるので、手入れは庭師に任せていた
当然、大きな石など落ちてはいない
指紋を残すなどヘマはしないだろうが
警察に届けるかと司に訊けば
それはしなくていいと言う
警察が介入すれば、調書やらなんやらで時間も拘束される
間島に圧力をかけてきたくらいなのだから
相手は、それなりに力も影響力もある人物だと察しがついた

「片付けは、明日すればいい。寝ようぜ」

「ですがこのままでは・・・」

フロアモップを手にした柴崎が顔を上げた
ある程度の距離から投げ入れたのだろう
発煙筒は、窓の近くに落ちていて
そばに引火する物がなかったのが幸いした

「舞い戻ってトドメを刺す気があれば
 発煙筒なんて使わねぇよ」

「・・・・・・」

「とにかく、空いてる部屋で寝ろよ」

柴崎が息を吐いてから司を見やった

「そうさせていただきます」

=========

「どうだった?」

「心配するな」

寝室のドアを開けるなり、つくしが駆け寄ってきた
何があったのかは話さなかった
つくしの手を取り、ベッドに足を向けた
まわりを取り囲む犬達に視線を落として撫でてやる
司がはじめて、フラン達に興味を持ったことに
つくしも安心して笑みを浮かべていた

「来いよ・・・」

先にベッドに入った司が片手で布団を持ち上げた
ひんやりとしたシーツにつくしも横向けに丸まってたら
右手で引き寄せて腕の中に閉じ込めた
司から発せられる温もりに、つくしは躰を預けて目を閉じた
司は、すっかり酔いが醒めている。あんな事があったばかりだ
柴崎の前では平常心を装ってはいたが
動揺しなかったと言えば嘘になる
過去を紐解く・・・つくしの髪を撫でながら
間島の言葉を思い出していた
つくしと出逢った頃の記憶を呼び戻すと
そこにはつくしの実父、望の存在があった

結局、一睡も出来ないうちに朝を迎えていた
時刻は6時を指している
事件が起こってから4時間ほどか。いつベッドに入ったかも
覚えてなかった。ただ、ひどく長い夜だった
夜が明けてホッとするなんて
静かに瞼を閉じると睡魔が襲ってきた
寝てはいけないと思っているのに意識は薄れていった

────はっ・・・・寝ちまってた─────

部屋に犬もつくしもいない
寝室の扉を開けたら、ソテーしたベーコンと
コーヒーの苦い香り漂ってきた
匂いが苦手になったと言っていたのに
昨日と変わらない日常があった

「おはよ!」

階段を下りてゆくと
キッチンからひょこんと顔を覗かせたつくしがいた
ガラスの破片は奇麗に片づけられ、
割れた窓は段ボールをあてがってガムテープで貼ってある

「おはようございます」

庭に居た柴崎が、挨拶してきた
4匹の犬達にボールを投げて遊んでやっているところだった

「外行ってくるわ」

キッチンを通り過ぎようとしたら、つくしが声をかけてきた

「寒いから何か羽織った方がいいよ」

ポールスタンドにかかっている
パーカーを取りに行こうとつくしが手を止めた
自分でするからいいよと司が左手をあげた
つくしが、ニッコリ頷いた
玄関ドアを開け庭に出ると、朝冷えした空気に
ぶるっと肩を震わせた
木々は、色鮮やかに紅葉しはじめている

「はよー。なんか手がかりはあったか?」

「いいえ、なにも....店は予定通り?」

「ああ、そのつもりだ」

「如月と、他の連中も待機させます」

司は、柴崎が手に持っていたボールを取り上げて
フランに見せた

「いくぞ!取って来いよ」

助走をつけて、大きく振りかぶり投げた
フランが全力疾走で奔りだす
無駄な贅肉がついてない黒いボディと筋肉質な躰は精悍だ
司は、しばらく魅入っていた

「あいつらのこと見直したよ
 吠えてくれなければ気がつかなかったかんな
 あいつが言うように、立派なボディーガードだよな」

「海藤が手塩にかけて育てたのがわかります」

「あの爺さん、生きてればいいけどな.......」

柴崎は、無言で、司の横顔を見やった

「昨日の事は、間島の耳に入れておきます」

「来週、あいつとN.Yに行く。
 その間、つくしのことは類に預けようと思ってんだ
 ホテルにと思ったけどよぉ、こいつらが一緒じゃねぇとって
 言い出すだろう?それに、類に話せば面白がって引き受けて
 くれそうだからな」

「移動は、いつ?」

「出来れば今日中と言いたいところだが
 類の都合を聞いてみねぇと
 お前と如月は、つくしについてやってくれ
 あとの連中は、ここを警備してくれればいい」

「かしこまりました」

「遅刻するよ」

つくしの弾むような声がきこえてきた

「それでは、私は散歩に行ってまいります」

そう言うとポケットから小さな筒状の物を取り出して吹いた

「なんだそれ?」

「犬笛と言うホイッスルです
 人の耳には聴こえませんが、
 あの子達には、この音が聴き取れるんですよ」

庭に散らばっていた犬達が、一斉に戻ってきて
柴崎の前に横一列に坐った

「ずげぇーな。今度は、俺にやらせろ」

「海藤が、夢中になるのもわかります
 この子達は、本当に賢いんです」

「おっかねぇ顔してんのにな。行ってこいよ」

上半身を折るようにして、司が4匹の犬達の頭を撫でてやった

===========

「コーヒーは、いらねぇっつたろ?」

つくしの手を引いて、腰を保定しながら椅子に座らせてから
司も腰をおろした

「大丈夫だってば。少しだけど食欲も出てきたし
 これ見て。おいしそうでしょ?
 シェフが特別に焼いてくれたの」

テーブルの上のバスケットに入っていたパンを手に取って見せた

「栄養価が高くなるようにって、
 全粒粉に、アーモンドを入れてあるんだよ
 お礼言っといてね」

「俺がか?」

「そう。俺が言うの
 奥さんがお世話になったんだから、旦那様もお礼いうのが
 当たり前でしょ?」

「そーだな。嫁が世話になったら、亭主の俺も礼を言わねぇとな」

からかったら、つくしの顔が真っ赤になっていた
今なら、言ってもタイミング的に大丈夫そうだと切り出した

「よお、来週、N.Yに出張するって話したよな
 4日ほどだが、その間、類んとこ行かねぇか?」

「えっ!いいのぉ.......行っても」

「やけに嬉しそうな顔するよな」

「だって、嬉しいんだもん。メールでしか話してないから」

「メールしてんのか?」

「そうだけど。お友達なんだから近況報告しあってるの」

「お前よ、罪悪感とかねぇの?」

「なんの?」

「なんのってか?ダンナのツレにメールとかするかよぉ
 フツー...........」

「そうなんだ」

「そうなんだって、マジで言ってんのか。いい加減にしろ!」

つくしは、軽い乗りで言ったつもりなのに、司が本気で怒っている
 
「ごめん」

「俺が女とこそこそメールしてたら、どう思うよ
 ツレだって言えばいいのか?それで聞き流せるのかよ」

「・・・嫌だ・・・と、思う」

つくしの声は消え入りそうだった
司は、食べかけの朝食を放りだして階段を上っていく
ため息をつきながら寝室の扉をあけてベッドうつ伏せに寝転がった
腕の隙間から視界に入ってきたのは、ハンガーにかけられた
スーツだった

────やっちまった────

つくしは、まだ安定期にもなっていないのに、イラッとして怒鳴ってしまった
類とメールするのは、つくしの気晴らしだわかっている
自分は、忙しくて、マメに連絡すら入れてやれない
もともと、つくしはアクティブなタイプだ
初めての妊娠に、戻って来てから
つくしが出かけるのを司自身が制限をかけていた
それなのに..........
冷たい土の中に埋没されていくような気持ちになった
静まり返った部屋を騒がしくさせたのは
サイドテーブルに置いてある携帯だった
寝たまま腕を伸ばした

「おはようございます。あと15分ほどで到着致します」

西田だった
つくしがコーディネートしてくれたワイシャツに袖を通し
ネクタイを結ぶ。上着を肩に引っかけて扉を開いた
トントンと階段をおりてゆくと、柴崎が散歩から帰っていて
つくしと談笑しながら朝食を食べている
身なりを整えるため、司は無言で、ウォッシュルームに足を向けた
オープンキッチンに、食べかけの朝食が捨てずに置いてあった
司は、ため息をついた
顔を洗い、歯を磨きながら、つくしにかける言葉を
あれこれ考える
癖のある髪を手櫛で整え、気持ちを切り替えるように
数回、深呼吸した
インターフォンが鳴った。西田が来た
柴崎が、朝食を食べるのをやめて席をたった
その前を司が素通りしていく

「おはようございます」

西田が司の顔を見ながら挨拶をする

「ああ」

玄関に、スーツに合わせた靴が揃えてあった

「これ、持ってって」

背中越しに聞こえたつくしの声
大きめのステンレスボトルと紙袋を手渡してきた

「怒鳴って悪かった」

まだ司は、背を向けたままだ

「あたしが悪いんだよ。司の気持ちを考えてなかったから
 ごめんなさい」

「仲直りしようぜ」

やっと司が振り向いた
コクリとつくしも頷いた
つくしの腰に手を添え抱き寄せると額にキスをした

「悪かった。類のところに行ってくれるよな?
 あいつらも一緒に」

チラリと視線をフラン達にやり、つくしに戻した

「うん」

「向こうに、荷物も残ってんだろ?
 必要最小限のモノだけでいけっから」

「わかった」

「行ってくるわ」

「気をつけて、いってらっしゃい」

「いってらっしゃいって言えば、チューだろうが
 してくれねぇの?」

つくしは、司の鼻先を摘まんで笑う

「しゃーねぇーなぁ。
 明日から、いってらっしゃいのキスは忘れるなよ」

二人ともわかりやすい。やっぱり喧嘩してたのか
柴崎が下を向いて口もと緩めた
寒いから、見送りはここでいいと、外まで出ようとした
つくしをとめた
西田がメルセデスの扉を開けて待っていた
リアシートに乗り込み走り出した
つくしが渡してきた紙袋から中身を取り出してみた
ランチボックスだった
蓋を開けると、パンの中にレタスと焼いたベーコン、トマトが
挟んである。一つ取り出すとあたたかい
トースターで、焼き直してくれたのがわかった
パクリと口に入れる

「西田、お前も食えよ。つくしの気持ちだ」

「はっ?」

ルームミラー越しにリアシートの司を見たら
上機嫌だ
戴きますと西田が右手を出して受け取った

「類に連絡すっか」

ポケットから携帯を取り出し類の文字を引き出してコールする

「はよー」

「おはよ。何かあった?」

「何で、わかるんだよ」

「朝っぱらから連絡してくるってことは
 なんかあるって思うのが普通だから」

「悪いが、つくしを預かってくれねぇか?
 来週、出張することになってる。しばらく留守にすっから」

「いいよ。隣の部屋は、そのまんまだし 
 いつでもどうぞ」

「それがよぉ、あいつだけではねぇんだわ
 ボディーガードも一緒だけどいいか?」

「いいよ。想定内だから」

「じゃぁ頼む」

「いつ来る?」

「今日からだ。いいか?」

「鍵は持ってるよね」

「ああ」

「実は、俺、今日休み」

「何だよ、それを早く言え」

「だって訊かなかったじゃない」

「そっちに行く前に、あいつに連絡させっから頼んだぞ」

「オッケー」

って訳だから、俺も今日から類のマンションだと
西田に告げていた