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鍾愛 106

「なんなんだ、この家は。ジジィ一人で
ここまでバカでかい家がいるのか」

1階は、12部屋。2階は、8部屋
部屋数は、道明寺邸より少なくても
吹き抜けが邪魔をして、真っ直ぐ行けなかっなり
部屋が左右に振り分けられたり
デッドスペースも多い
動線がめちゃくちゃだ。侵入者対策で緻密に
計算した造りになっている
ひと部屋、ひと部屋念入りに見てまわっても
つくしは、いない

最後の部屋のドアを閉めた後
司は、途方に暮れたように、座り込んでしまった

「読みが外れたか▪▪▪▪」ひとりごちた

「見つかったかね?」

やけに嬉しそうに笑う海藤が立っている

「だから言ったろ?さて、落とし前はとはどうする?」

「あんたの好きにしていいさ。約束だからな
猶予はくれ。今は、あんたとお遊びしてる暇はない
俺も色々忙しいからよぉ」

挑戦的な目で海藤を睨みつけた

「良いだろ。時間がある分、君が再起不能になるほどの落とし前の付け方を考えられる」

「ひとつ訊いてもいいか?
あんた、今回の件に噛んでるのか?」

「まさか。椎名と道明寺に手を出しても
甘い汁は吸えんだろ?」

「なぜ、つくしに興味を持つ▪▪▪」

「たまたまあの店に行ったまでだ
気は済んだだろう。出ていってくれ」

「仕方ねえな。住居不法侵入で
警察のお世話になるのは、ごめんだかんな
つくし、待ってろ!必ず迎えにくる」

勘と言うべきか、海藤が絡んでる事に
確信を持っていた
司は、牽制するつもりで、つくしの名前を呼んだ
屋敷の至るところに設置された隠しカメラを通して
地下室に閉じ込められたつくしは、モニターで司の様子をつぶさに見ていた
司の言葉は、絶望の淵から救ってくれる
切れないロープの様に思えた

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「ご飯ご馳走してよ」

広野の携帯に理香から連絡があった
つくしの事が気になりつつ、
情報収集の為、会うことにした
お洒落なレストランに連れて行けと言うのかと思ったら、居酒屋でいいらしい
理香の行きつけの店で待ち合わせして
駅前の居酒屋に足を踏み入れた
若い子は、こう言う雰囲気が好みなのか?
会話が聞き取れないくらい煩い
落ち着いて飲むどころではないなと気が重くなる

「修一!」

ポンと肩を叩かれた

「賑やかだね」

「だからいいんじゃん!今日は雰囲気が違うね」

「おじさん臭ぷんぷんさせてたら、援交と
間違えられるからね。理香ちゃんもイメージ違うね」

「これが、ほんとのあたし!あそこに行くときは
背伸びしてるの。みんな大人ぽいでしょ?」

広野は、ジーンズに真っ白なシャツ
理香も、Tシャツにハイウエストのワイドパンツと言うラフな格好だった

「個室予約してんだ。行こう!」

甘えたように、理香が腕をからめてきた
人から、どう見えるのか?広野は一刻も早く
その場から逃げたくなっていた

店員に案内された個室は、襖で仕切られているだけ
両隣は、宴会で盛り上がっている

「落ち着かないね」

「この騒がしさがいいんじゃない
内緒話するには持って来いでしょ?
おつまみは、適当に頼んでいい?」

「どうぞ」

オーダーを取りに来た店員に、理香が
メニューを見ながら注文する

「あたし、ビール。修一は?」

「おなじで」

内緒の話と言うから身構えたら
正也の事を話はじめた

「あいつ、凄い車乗ってるんだ。外車でね
でも、センス悪い。オヤジが乗る車みたいなんだもん
女子たちは、キャーキャー騒いでるけどね」

「あの車、家が一軒買える値段するんだよ」

「ふーーん。ダサっ。あたし、あいつ大嫌い」

「なぜ?」

「何回か、誘われたんだ。秘密のパーティーに
来ないかって。ヤバイに決まってんじゃん」

「どうしてそう思うの?」

「だって、そうでしょ?あれだけ自慢したい男だよ
ちゃとしたパーティーなら、秘密にしないで
見せびらかすでしょ?」

理香の洞察力は鋭い。確かにそうだ

「誘われたって事は、気に入られたって事なるじゃないのかな?」

「そうよ。尻軽女認定されたのよ。頭きちゃう!
あいつらと一緒にしないで欲しいわ
お金に目がくらんで、誰とでも寝る女だと
思ってんだから。これでも身持ちは固い方よ」

理香の怒りは、広野の想像と違っていた
唐揚げをつまむと理香は、グイっと
ビールを流し込んだ

「これは聞いた話だけど、あいつ、かなりヤバイ事
やってるらしいんだ。詳しくわからないけど
多分、パーティーって薬じゃないかな?」

「証拠でもあるの?」

「参加した奴らの様子が変なんだもん
正也に凄く気を使ってる感じ」

「誘われたメンバーがわかるの?」

「自慢するから。大金持ちの正也に声かけられたって」

「あのクラブは評判が良くない
もう、行かない方がいい」

理香を使ってと思ったが、彼女の話が本当だとすると
巻き込むわけには行かない
広野は、親心のような気持ちになって忠告した
その後も理香の愚痴は続き、広野は時間が気になって
何度も時計に目をやっていた
司から、ミスティで飲まないかと誘いがあったからだ
理香との先約があり、少し遅い時間になると断りをいれ、司も承諾した

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海藤邸を出た後、広野に会って話をしなければと
思った司は、ミスティで待っていると
連絡を入れた。遅くなるが会いたいと返事が返ってきた

一足早くミスティに到着した司は
カウンター席に腰をおろした
ふた席離れて先客がバーテンダーと話をしていた
スマートに先客の話を一旦止めて司の前に来た

「いらっしゃいませ。ご注文は何になさいますか?」

考えるのも面倒だった。こないだと同じものを
と言ったら、バーテンダーは覚えていて
琥珀色のウイスキーが目の前に置かれた

「ごゆっくり」と言葉をかけて先客との会話を続けた

「その子は、助かったんですか?」

「オペは成功したが、進行が早くてね
痛みを和らげる為に、モルヒネを打ってるんだ」

医者なのか?訊きたくなくても
バーテンダーと先客の話が耳に入ってくる

「いまでこそ、モルヒネを扱う病院が増えたが
昔は、少なかったんだよ。管理が大変だから
厳密なルールが色々あって、麻薬取り扱い免許が
必要になったり、保管場所には鍵をかけとかないと
いけなかったり、我々が薬物中毒になってないか
病院でチェック受けたりね。動物は喋れない
痛みを訴える事も出来ない。その痛みは死より
恐怖だと思うよ」

獣医か▪▪▪▪
暇潰しに訊いていたら、ほろ酔い加減の広野が
ドアを開けて入ってきた

「悪かったね。遅くなって」

「私も、さっき来たところです」

「つくしのその後の情報は?」

「目星はついたんですが証拠がない
海藤が絡んでます」

広野は常連客。オーダーしなくとも
司と同じウイスキーが会話の邪魔にならないよう
静かに置かれた

「そうか▪▪▪待つしかないか
こっちは、件のクラブで面白い話が聞けたよ」

正樹が高級車に乗っていること
パーティーと称した危ない遊びをしていること
司は、黙って耳を傾けていた
広野も、梯子酒、司も楽しい酒になりそうもない
互いの報告が済むとミスティを出た
方向が違う為、別々のタクシーに乗り
司は、先客が話してたモルヒネの話と
正樹の危ない遊びが妙にひっかかっていた

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ここからは拍手コメントお礼となります

y*******a様

こんにちは。
拍手コメント頂き、ありがとうございます
最後に苦手なアマーーイ話に挑戦して二次卒業をと思ってます
ネタバレすれば、海藤爺が一番おいしい役かも?
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Comment

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  • Ranmaru*
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Re: No title

 み***ん様

こんにちは。
ご無沙汰してます。コメント頂き、ありがとうございました
毎日、暑すぎてめまいしそうです

そうそう100話いっちゃいました
50年目のラブレターを完結させて終わりたい
脳内ではラストまで書いてるんですけど(笑
海藤爺にも、過去があるわけで
いったい何の話なん?な展開ですが、最後までお付き合い頂けたら幸いです
宜しくお願い致します( `・∀・´)ノ ヨロシクー

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