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鍾愛 112

猛暑と、新しい職場での慣れない環境で
ちょびっと疲れてます
長びいた、このお話も早く終わらせねば!
完結近し!最後まで、お付き合い頂けたら幸いです
宜しくお願い致します

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ドッドッドッドッドッ

地の底から聴こえてきてくるような
重い足音が、物凄い勢いで階段をかけ上がり
つくしの部屋に近づいてくる

「フラン、おいで!」

ドアの前で、唸り声をあげるフランに声かけたが
微動だにせず、時折、微かに耳を動かし警戒している
何かが起こっている。防御出来る物を・・・
部屋を見渡しても何もない。咄嗟に手に取ったのは
司がブリザードフラワーにしてくれた花冠だった
震える手でガラスケースに入った花冠を
頭の上まで持ってくると、扉が開いた

「来い!グズクズするな!」

恐ろしいほど目をギラつかせた一之瀬だった

「何なんですか。ノックくらいして下さい」

「この犬をどうにかしろ!地下室へ行け!」

「どうしてですか」

「つべこべ言うな。会長の命令だ。早くしろ!」

「嫌です。お断りします」

ウゥゥゥゥ

姿勢を低くしたフランは、ボディランゲージを駆使して
それ以上、つくしに近づいたら攻撃するぞと
ネガティブな感情をあらわにしている
言う事を訊かなければこの男は、フランを殴るに違いない
元プロボクサーの一之瀬の手にかかれば
大型犬のフランでも、一溜まりもな事くらい
つくしにも理解出来た

「怒らなくても大丈夫だよ」

何かが起こっている。気になりながらも確かめたところで
一之瀬が答える訳ない
興奮するフランをなだめてから
仕方なしに、一之瀬の後をついて行った

「さっさと歩け!」

背中を小突かれたつくしは、
フランと共に地下室に押し込められてしまった
その頃、門の前には、パトカーと黒塗りの車が到着していた
車から下りてきたのは、スーツ姿の男数人と警察官
警官が、海藤邸のインターフォンを押した後
カメラに向かって警察手帳を見せた

「なにか御用ですか?」

対応にでたのは海藤だった

「開けてもらえませんか?」

「警察に様はない」

そんなやり取りを数回繰り返し痺れを切らせた
スーツ姿の中年の男が、警官を押し退けて
カメラの前に立った

「まぁ、そう言わず、ご協力願います」

このままでは、帰らないだろうと
仕方なく門を開け男達を招き入れた

「こう毎日暑いとかないませんなぁ」

リビングに通されソファに坐ると階級が一番上だと思われる男が
スーツの内ポケットから扇子を取り出し
わざとらしくパタパタと扇ぎ始めた

「組対4課さんが、何の用です」

「拳銃が発砲する様な音が聴こえたと
 市民から通報がありまして
 我々は、みなさんの血税で食わせてもらってます
 通報があれば、対応するのが仕事でして」

「間島さん、あんた、年々人相が悪くなってるんじゃないか?」

「そりゃそうです。柄の悪い連中相手にしてんです
 こっちも負けじと、面の皮厚くしないと、舐められますからね
 ハァハァハァハァ。そう言えば、一之瀬さんの姿が見えませんが、
 お元気ですか?」

「所用で出かけている」

「それは、残念だな」

冗談を交えながら、間島は、海藤の反応を見ていた

「発砲音など聴こえなかったがな。空耳だろう」

「空耳ねぇ・・・十数人もの人間が同時に
 空耳を聴くってありえんでしょ?話して下さいよ
 我々も手ぶらで帰るわけにはいかんのです」

○暴刑事の間島と海藤は顔見知り
それなりに腹の内がわかる間柄でもあった

「三島組の若い衆が、この辺りをうろついてるのは何故です
 少なくとも発砲音は、6発以上聴こえたと
 聞き込みしてわかりました。リボルバーなら弾は6発
 7発以上なら自動拳銃をぶっ放したってことになります
 白昼堂々、住宅街でてすよ。物騒な話じゃありませんか?
 最近、大きな事件がないんで
 警○庁記者クラブの皆さんも、退屈してらっしゃる
 この情報を流したら、さぞや大喜びして食らいつくでしょう
 そうなりゃ、海藤さんにも不都合が生じるんじゃないですか?」

「取引しょうって訳か・・・・」

「人聞きが悪い。善良な市民を守るのが我々の仕事です
 あなたも、その一人に違いない
 だから、話してもらえませんか?」
 
「話すことは何もない」

間島は、脅しではなく、マスコミにリークする男だと
わかっていた
ニュースになれば、司が黙って見逃す訳がないだろう
海藤の計画も丸つぶれになってしまう
ちょっと待っててくれと言い残し、
リビングから庭に出て犬舎まで歩いて行った
間島は、同行していた部下に
今のうちに調べろと顎をしゃくり指示を出すと
ドアを開け出て行った部下が、
廊下の小窓が僅かにひびが入っていたのを見つけて
写真を撮って戻って来た

「持って帰れ」

犬舎から戻って来た海藤が間島に手渡したのは
ハンカチに包まれた鉛の弾だった

「コルト弾ですなぁ。土産も貰ったことだ
 今日は、この辺で退散させてもらいます
 近いうちに、また、お邪魔させて頂きます
 ご協力、感謝致します」

間島は、思ってたよりあっさりと引き下がった

「シキテン張っとけ(見張り)

門を出た間島は、要塞の様な屋敷を見上げ部下に指示を出した

「いよいよだな・・・・」

静かになったリビングで海藤が呟いた

「司様、例の物、検査機関に出しましたがシロでした」

すり替えた白衣から何も検出されなかったと
西田が報告していた

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